2014年、STAP細胞の発見で一躍注目を浴びた「小保方晴子」さん。
リケジョとも言われ、世紀の大発見と聡明で明るい彼女が注目されました。
STAP細胞の発見が不正がわかり、ネガティブな印象が付き纏ってしまいましたが、彼女は再生医療に対して使命を持っていた研究者だったということは忘れられません。
小保方晴子さんの学歴と経歴がいかにすごいか、母校の早稲田大学での学びや幼い頃から研究者を目指していた、その動機についてまとめてみました。
小保方晴子の学歴と経歴がすごい⁉︎
ただし、STAP細胞に関する研究の不正が問題となり、2015年11月にその博士学位は取り消されました。
そのため、公式に認められる最終学歴は、学位取り消し前であれば早稲田大学の博士(工学)であり、取り消し後では修士課程修了となります。
千葉県松戸市出身
千葉県松戸市は、東京都心から約20キロメートルという近距離に位置し、東京都特別区部へのアクセスが非常に良いベッドタウンとして知られています。
東京都江戸川区と隣接しているので、気軽に都内にでられて便利な場所ですよね!
小・中学校は?
小学生の時の大切な友達の存在から、再生医療研究の道に導かれたと著書にありました。
私を再生医療研究の道に導いたのは、幼い頃の大切な友人との出会いだった。彼女が描いた絵や、作った工作作品は、たくさんの生徒の作品が並ぶ中にあって、格段に目を引き、一目で彼女の作品だとわかるほど、抜群の才能を感じさせた。(中略)中学校を卒業する頃には、誰よりも繊細で器用だった彼女の手が、だんだんと曲がっていく様子に気づき始めた。
引用:「あの日:第一章 研究者への夢」
大好きで尊敬している友人が「小児リウマチ」に侵され、不自由になっていく姿をみて「この理不尽さに立ち向かう力がほしい。自分にできることを探したい」という気持ちから研究者となる道を選んだようです。
高校は?
中学校での成績は、全国模試での成績を見ても首都圏で最難関の国立大学附属高校等への合格は確実だと思われていた。ところが周囲の人々の期待を裏切り、たまたま滑り止めに受けた高校以外合格することができず、強い挫折を経験した。
引用:「あの日:第一章 研究者への夢」
滑り止めとは言いつつも、かなりハイレベルの進学校のようです。
県内トップ3で、医学部進学者が多いのが特徴とのこと。
さすが小保方さんです!
高校生の時も小児リウマチの親友との思い出を将来の進路を決めたそうです。「将来は広く人類に貢献できるような研究がしたい」という一心で、早稲田大学の応用化学科のAO入試をチャレンジしたそうです。
小保方晴子:早稲田大学入学から研究者の道へ
研究者になる夢を抱き、早稲田大学へAO入試で合格した小保方晴子さん。
とてもストイックな学生生活を送っていたようです。
早稲田大学入学とラクロス部への入部
小保方晴子さんは早稲田大学理工学部の応用化学科で、4年生で研究室に配属されるまでの間、特に研究室選びに積極的ではなかったそうです。
その代わりに、彼女はラクロス部に入部し早朝練習に励む毎日を送っていました。
小保方晴子さんにとってラクロス部への入部はただのスポーツ以上の意味を持っており、苦手なことに挑戦し、精神的にも肉体的にも自己を鍛えていたそうです。
ラクロス部の練習は朝の7時から始まるので、4時台に起き、5時台の電車に乗っていたそうです。
引用:「あの日:第一章 研究者への夢」
水質浄化研究をする研究室へ
小保方晴子さんは、環境または医療分野で人類に貢献できる研究を行いたいと考え、授業で最も理解しやすかった常田聡教授の指導下、水質浄化研究を主とする研究室に入りました。
ラクロスの練習と学業の両立は困難でしたが、常田教授のもとで研究に打ち込む中で、自身の学問への情熱を再確認することができました。
新たな研究分野「再生医療」への道へ
大学の最終年に、組織工学に強く興味を持った小保方さんは、特に「バカンティマウス」の研究で知られるハーバード大学のチャールズ・バカンティ教授の工夫に触れ、再生医療への道を探求する決意を固めました。
小保方晴子さんは常田教授と話し合い、大学院での研究テーマを細胞シート技術に関する再生医療へとシフトすることを決めました。
ちょうど東京女子医大では再生医療への研究が進んでいるということで、学跨ぎ協力(学際的研究)をしていたそうです。
早稲田大学院では細胞シート技術を利用した再生医療研究を、東京女子医科大学先端生命医科学研究所(TWIns)では再生医療をはじめとする先端医科学の研究を行っていたそうです。
バカンティマウスは、ハーバード大学のチャールズ・バカンティ教授によって開発された実験用マウスです。このマウスの背中には、人間の耳の形をした軟骨が培養されています。この軟骨は、特殊な生分解性材料(スカフォールド)を使用して軟骨細胞と共に培養され、形成された構造はマウスの背中に移植されます。この技術は組織工学における重要な進歩を示し、人工的に臓器や組織を生成する方法として、再生医療において大きな可能性を持っています。バカンティマウスは、移植した軟骨が人体で拒絶されることなく、機能する可能性を示すモデルとして用いられています。
バカンティ教授の下で最先端再生医療を学ぶ
小保方晴子さんは大学院の研究を進める中で、短期間ハーバード大学での留学経験をします。
この期間、彼女はバカンティ教授の下で最先端の再生医療技術を学び、特に細胞シート技術の応用可能性を探るための重要な知見と技術を身につけました。
実際にバカンティ教授の下で勉強をするためにハーバード大学に留学した小保方晴子さん。
文化も言葉も人種も異なる場所で、直接バカンティ教授に助言をもらいながら学ぶことができたそうです。
STAP細胞研究へ
小保方晴子さんの研究テーマ変更によって、彼女が単に学問的な知識を深めるだけでなく、具体的な社会貢献を目指す研究者として成長。
再生医療、特に細胞シート技術は、その後のSTAP細胞研究につながる道となりました。
小保方さんの研究成果とポテンシャルは、理化学研究所の研究グループの注意を引き、彼女はそこで研究員としてのポジションを得ることに成功しました。
理研では、より大規模なリソースと先進的な研究設備を利用することができ、STAP細胞に関する画期的な研究を行う環境が整いました。
STAP細胞発表後の問題と撤回
STAP細胞
理研での小保方晴子さんの研究は、特定のストレス条件(例えば、低pHの環境)を適用することで成熟した細胞を多能性幹細胞に変換する方法、すなわちSTAP(Stimulus-Triggered Acquisition of Pluripotency)技術の開発に焦点を当てました。この研究は、2014年に「Nature」誌において発表され、当初は再生医療の分野における革新的な進歩として広く称賛されました。
STAP細胞が成功していた場合、その応用範囲は広大で多岐にわたり、医療、バイオテクノロジー、基礎科学の各分野で革命的な進歩をもたらす可能性があったでしょう。
STAP細胞の研究発表後、他の研究者たちが同様の結果を再現することができないと報告し始めました。
これにより、研究の信頼性に疑問が投げかけられ、小保方晴子さんの研究方法とデータに対する厳しい調査が行われました。
調査の結果、使用された画像の不正操作やデータの不備が明らかになり、小保方晴子さん自身の研究倫理に重大な疑問が生じました。
これにより、小保方晴子さんの論文は「Nature」誌から公式に撤回され、学術界における彼女の立場は大きく損なわれました。
小保方さん自身の学位に関しても不正があったとされ、博士号は取り消されることになりました。
まとめ
小保方晴子さんの学歴と経歴がいかにすごいか、母校の早稲田大学での学びや幼い頃から研究者を目指していた、その動機についてまとめてみました。
小保方晴子さんが再生医療へ貢献しようとした純粋な動機と、その研究に対する果敢な情熱は、決して忘れてはなりません。同時に、化学研究の分野では、厳格なデータ管理と倫理の遵守が必要不可欠であることもが重要な教訓です。
ここまで読んでくださりありがとうございました。