埼玉県から感謝状を授与されたクルド人のマヒルジャンさん。
しかし、その数ヶ月後には強制送還されるという展開に。
一体なぜ?と気になった方も多いのではないでしょうか。
この記事では、マヒルジャンさんが感謝状を受けた背景と、その後の強制送還との関係性をわかりやすく解説します。
マヒルジャンが感謝状を受け取った理由とは?
メディアでも話題となったマヒルジャンさん。
実は、埼玉県から正式に感謝状を授与されていました。
ここでは、感謝状の授与元や寄付の詳細、彼の社会的な評価について紹介します。

感謝されるような人が、なぜ国外退去になるの…?
感謝状はどこから?寄付金の使い道と授与の背景
- 2024年1月、埼玉県知事・大野元裕さんから感謝状を授与
- 解体業の会社が県の基金へ100万円を寄付
- 仮放免中だったため、会社は奥様名義で運営されていた
地域福祉や災害復旧に使われる基金への寄付だったため、県からは「模範的な地域貢献」と評価されました。
川口市のクルド人コミュニティでの評価と活動内容
- 在日クルド人の中でも“リーダー的存在”
- 公園のマナーやゴミ出しルールを若者に教育
- トラックや建物に日の丸を掲げる姿も話題に
マヒルジャンさんは、ただ生活するだけでなく、地域との調和を意識して行動していました。
清掃活動や被災地支援など地域貢献エピソード
- 毎週、街中の清掃活動を継続
- 東日本大震災や熊本地震でボランティア支援
- 「恩返しがしたい」という想いを公言
目立たない日々の積み重ねが、感謝状という形で評価されたのです。
📌まとめ
感謝状は単なる形式ではなく、実際の貢献に基づいたものでした。
清掃、寄付、教育と多方面で地域と関わっていた姿が見えてきます。
マヒルジャンに何が起きたのか?ゼロプランで強制送還へ
社会貢献が評価されながらも、なぜ強制送還という処分が下されたのでしょうか?
その背景には、2024年にスタートした「ゼロプラン」と法改正がありました。
難民申請6回、そして「仮放免」中の生活とは?
- トルコの迫害から逃れるため、6回の難民申請
- 全て却下され、仮放免状態で生活
- 仮放免中は就労禁止・移動制限あり
表面的には穏やかに見えていた生活も、実は非常に不安定で制約だらけだったのです。
改正入管法と「ゼロプラン」が適用された背景
項目 | 内容 |
---|---|
法改正 | 2024年6月施行・3回以上の難民申請者も送還対象に |
ゼロプラン | 不法滞在者約7万人→5年半で半減目標 |
マヒルジャンさんの状況 | 難民申請6回目の最中に送還決定 |
「制度上の正しさ」と「人道的な疑問」の板挟みとなったケースでもありました。
傷害事件の報道とその後の影響
- 2025年3月、同居女性への傷害容疑で逮捕
- 報道が拡大し、強制送還の加速材料に
- 入管での過激な発言も印象悪化の一因
それまでの評価を大きく覆すような行動が、制度適用の判断を後押しした側面もあります。
📌まとめ
制度的な整合性と、個別の背景・感情が衝突した結果、強制送還が実行されました。
マヒルジャンさんをめぐる日本社会と制度の矛盾
感謝され、支援もされた人物が、別の面では法的に排除される対象に。
この“二面性”こそが、日本社会が抱える矛盾を象徴しています。
感謝状と強制送還──日本社会が突きつけた二面性
- 感謝状で「模範」とされた人物が送還対象に
- 行政の部門ごとに評価が分かれる構造
- 地域との信頼と制度のズレが浮き彫りに
「ありがとう」と「出ていけ」が同時に存在する現実に、戸惑う声も多く聞かれました。
SNS・メディア露出がもたらした光と影
- ABEMA TV出演で一気に注目を集める
- 「出演しすぎたせいで狙われたかも」と本人発言
- SNSでの過激発言がバッシングの引き金に
知名度が高まることで支援も増えましたが、反発や誤解も同時に広がりました。
「また戻る」と語ったマヒルジャンさん──制度の抜け穴とは?
- 成田空港で「また日本に戻る」と発言
- 旅券を再取得し他国経由で再入国するケースも
- 制度の綻びとしてSNS上でも議論に
「排除したのにまた戻るの?」という声が制度の信頼性にも疑問を投げかけています。
📌まとめ
マヒルジャンさんの発言や行動は、日本の入管制度の“構造的な限界”を可視化させました。
よくある質問(Q&A)
Q: 感謝状を受け取った理由は?
A: 埼玉県の基金に100万円を寄付したことや、地域での清掃活動・被災地支援が評価されました。
Q: なぜ強制送還されたの?
A: 難民申請が6回すべて却下され、改正入管法とゼロプランの対象となったためです。
Q: 仮放免ってどんな制度?
A: 収容中の外国人を一時的に釈放する制度。就労・移動などに厳しい制限があります。
Q: 再来日は本当にあり得るの?
A: 他国を経由して新たな旅券で入国する抜け道が制度的に存在すると指摘されています。
Q: なぜ評価と排除が同時に?
A: 行政の縦割りや、制度と実態のズレが原因と考えられます。
まとめ
今回の記事ではこんなことを書きました。以下に要点をまとめます。
- マヒルジャンさんは感謝状を受けるほど地域に貢献していた
- しかし、難民申請6回・仮放免状態で生活していた
- 改正入管法とゼロプランの対象として強制送還に
- 傷害事件やSNS発言で評価が大きく変化した
- 「また戻る」と語る姿勢が制度の矛盾を露呈
「ありがとう」と「さようなら」が同時に突きつけられた人物・マヒルジャンさん。
その存在が投げかける問いは、制度の厳しさだけでなく、“多様性と共生”という日本社会の課題そのものかもしれません。